近年さらに盛り上がりを魅せているバーバー界。先日行われた複合型カルチャーショー『HOUSE OF SEVEN』で行われた”World Barber Classic”。日本、台湾、韓国を含む全10箇所の地方予選で勝ち抜いた各代表が戦い合い、日本最大級とも言えるバーバーバトルに多くの人が魅了されました。
また、バーバーショップ(床屋・理髪店)は都内にも続々と新店舗がオープンし、バーバーに通う男性が増加しています。
今回ドレスキンでは、世界各国からも注目されているバーバー界のレジェンド川上昌博氏(BARBER APACHE)にインタビューしました。日本、海外で活躍する川上氏にバーバーに対する今の気持ちを語っていただきました。
レジェンドが思うバーバーの注目点
──バーバースタイルや文化が広がってきている中で、こういうところを注目してほしいなというところはありますか?
川上氏:自分の中でバーバーというのは、昔と今もそんなに変わっていないんだけれど、”男の拘り”が凝縮された場所だと思っています。そういう拘りの部分をもっと詳しく見てほしいと思う。そんな中で仕上げられた男達ところが、すごく面白く見えるのではないか。SNSなどで色々な情報を拡散出来るようになって、よりそういうところが目に付きやすくなっているから、拘りの部分を見せることは大切だと思います。
──APACHEとしても拘りを持つことは大事にされていますか?
川上氏:沢山のセミナーなどでよく話すことは、道具を愛してこれはどういうことで使われているのか、何の為にこのような形になっているのかということを技術者は分かって使う必要がある。それがかなり重要なところだと思います。拘った道具たちと拘る道具の使い方を見せることが、職人のスタイル だと思います。

──川上さんの一番好きな道具は何ですか?
川上氏:クリッパー(バリカン)というのは新しい存在で、今楽しくやっているけど、やっぱり「シザー(ハサミ)」に拘りを持っています。刀を持つ日本人のような、刃物を持つ日本人のイメージに近いと思っていて、そういうのを意識したりします。
──日本のバーバーと海外バーバーの大きな違いなどありますか?
川上氏:海外では、元々クリッパー(バリカン)で切ることが多い文化だったのですが、最近ではそこにハサミが入ってきて、トップのデザイン性のあるカットを面白く展開しています。日本では昔からハサミを上手く使う理容文化だったが、最近ではクリッパーとハサミの主流がクロスオーバーしてきている。現状では日本の良いところをもっと出すべきだし、海外から来た新しい技術の見かたも勉強するべき。今はより(バーバーの技術が)発展していく時なのではないでしょうか。

──バーバー界を持ち上げてきた川上さん。これからの自分の使命などありますか?
川上氏:美容のカルチャーもよりミックスさせて、最終的な”メンズカット”という立ち位置を見出すことができたらなと思っています。「バーバー」「サロン」という分け方ではなく、「男性のカット場所」というような形になってくるのではないかと思っています。時間は掛かるかもしれないが、美容と理容がもっと交流して、お互いがより頭を柔らかくしながら新しい取り組みができれば良いと思います。

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